【アメリカ文学】What is "gender"?----大学入試で問われる頻出テーマ
こんにちは。大学入試対策ブログNew Guide for English Learningへようこそ。
今回は「ジェンダー」ということばについて考えていきましょう。
最近聞くようになったかもしれませんが、誤用されているかもしれないので改めて説明しますと・・・
ジェンダー(gender):「生物学的な性差」としての「セックス(sex)」をもとにして決められる「社会的・文化的性差」
です。つまり、生殖器がどうとか、身体的構造がどうとかにかかわらず、「男らしさ/女らしさ」をめぐる規範の中で決定されるのがジェンダーです。
もともとヒトの性を考えるのには、セックスとしての性だけあれば十分でした。
しかしながら、それでは生きにくくなってしまった。なぜか?
そうです、「男らしさ」「女らしさ」の固定化された枠組みの中で生きるということは窮屈なのです。
日本の戦時中を考えてみれば、男は軍隊に入ったり、教育を受けたり、家族の中でも優位的位置にあったのに対し、女はそうではありませんでした。むしろ家庭の中では底辺の存在として扱われるのが筋だったのです。(西洋近代も同じ、というか日本は西洋近代の社会的構造の影響を受けている可能性大)
だからこそ自分らしさを重視できる「ジェンダー」が確立されるようになりました。
アメリカの作家にナサニエル・ホーソーンという人物がいます。
この人の書いた"The Scarlet Letter"を読むと、アメリカの19世紀中葉における女性社会秩序の確立が切実に訴えられているのがわかります。
主人公のヘスター(女性)は姦通罪の罪で裁判にかけられてしまいます。当時の姦通罪、つまり既婚者が別の異性と身体的な関係を持つことはピューリタリズム(当時の社会的風潮)の中で恥ずべき行為だとされていました。
社会から変な目で見られて、自由に生きられないヘスター。
しかし、社会的イデオロギーに反してそこから自立していこうとする彼女の姿を生き生きと表現した作品が"The Scarlet Letter"なのです。まさに、ジェンダーという概念を描出してます。
よかったら原作読んでみてください(くそ難しい)。何かジェンダー的な視点をつかめるかもしれません。
ジェンダーに関する話題は試験でもよく問われます。特に社会学部とかの英語の長文、それから現代文の文章にも扱われやすいトピックなのでアメリカ文学におけるジェンダーの考え方も抑えておくとよいでしょう。
"The Scarlet Letter"のほかにもジェンダー論について扱っているアメリカ文学作品も多いので、後々紹介していきたいと思います。
では、また。